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内分泌疾患・問題行動

このような変化がみられたら、ホルモン(内分泌)の病気や、体の不調が隠れている可能性があります。

☑ お水をたくさん飲む・おしっこの量が多い
☑ よく食べるのに痩せてきた/あまり食べないのに太ってきた
☑ トイレを失敗するようになった
☑ 急にかみつく・怒りっぽくなった
☑ 夜中にウロウロする・夜鳴きをする
☑ お留守番中に吠え続ける・物を壊す
☑ お腹がふくれてきた・毛が薄くなってきた

「性格が変わった」「年のせいかな」と思っていた行動の変化が、実はホルモンの病気や痛みのサインだったということはめずらしくありません。気になる行動があるときは、まず体の病気がないかを確認することが大切です。

 

ワンちゃんの内分泌の病気

「糖尿病」

インスリンというホルモンが足りなくなり、血糖値が高くなる病気です。多飲多尿、食欲があるのに痩せる、といった症状がみられ、ワンちゃんでは白内障を起こして急に目が白くなることもあります。

糖尿病は、適切に治療が行われていれば、すぐに命にかかわることは稀ですが、治療を継続する必要があり、かつオーナー様が自ら治療や食事管理に参加していただかなければ成功しないという点で、治療が難しい病気です。治療の目的は、完治ではなく高血糖と尿糖からくる症状を軽減することになります。

ワンちゃんでは飲み薬での治療はできないため、ご自宅で毎日インスリン注射を行っていただく必要があります。注射の方法は、慣れるまでスタッフが丁寧にご説明・練習のお手伝いをいたします。

注射をする時間や、低血糖に注意し、食事の管理、食欲や尿量・飲水量の確認を毎日続けることは、大変なことかと思いますが、その治療もその子の一生の思い出の一部、ペットを飼う面白さの一部だと考えて、楽しんで治療に参加していただけるよう、全力でサポートしていきたいと考えております。

ワンちゃんの糖尿病には、発情周期の黄体ホルモンが関係して発症するものがあり、避妊手術が糖尿病の予防にもなります。

「副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)」

副腎から出るホルモンが過剰になる病気で、中高齢のワンちゃんに多くみられます。多飲多尿、食欲が増える、お腹がふくれる(ポットベリー)、左右対称に毛が薄くなる、皮膚が薄くなる、ハアハアと浅い呼吸が多いなどの症状が特徴です。治療は主に飲み薬で行います。

「甲状腺機能低下症」

代謝を調節する甲状腺ホルモンが少なくなる病気です。食べる量は変わらないのに太る、元気がない、寒がる、しっぽや体の毛が薄くなるなどの症状がみられます。「年をとって元気がなくなった」と思われていることも多い病気です。甲状腺ホルモンを補う飲み薬で治療します。

「副腎皮質機能低下症(アジソン病)」

副腎のホルモンが足りなくなる病気です。元気・食欲がない、嘔吐や下痢を繰り返すなど、はっきりしない症状が続くことが多く、急に状態が悪化してショックを起こすこともあります。

 

ネコちゃんの内分泌の病気

「甲状腺機能亢進症」

高齢のネコちゃんに多い病気で、甲状腺ホルモンが過剰になります。よく食べるのに痩せていく、活発になる・落ち着きがない、夜鳴き、嘔吐、多飲多尿などがみられます。「年のわりに元気」と思われて見逃されることもあります。

放っておくと、心臓や血圧にも負担がかかります。血液検査(T4)で診断し、飲み薬や療法食で治療します。また、この病気に腎臓病が隠れていることもあるため、治療を始めたあとも腎臓の数値を定期的に確認していきます。

「糖尿病」

ネコちゃんの糖尿病は、肥満が大きな原因になります。症状はワンちゃんと同様に多飲多尿や体重減少で、後ろ足のかかとをつけて歩くようになることもあります。

ネコちゃんでは、早い段階からインスリン治療と食事療法をしっかり行うことで、インスリン注射が不要になる(寛解する)ことがあります。早期発見・早期治療がとても大切な病気です。

予防としては、太らせないことが第一です。

 

問題行動について

ワンちゃんの問題行動のご相談では、診察の前に、日本獣医動物行動学会の「イヌの飼い主への質問用紙」(PDF)をご記入いただくことがあります。普段の生活の様子や、問題行動が起こる状況を詳しく知ることで、より的確なアドバイスにつながります。印刷してご記入のうえ、受診の際にお持ちください。

「急にかみつく・怒りっぽくなった」

それまで穏やかだった子が急にかみつくようになった場合、痛みが原因のことがよくあります。関節の痛み、歯周病、耳の炎症、お腹の痛みなどで、触られるのを嫌がるようになります。ネコちゃんでは甲状腺機能亢進症で怒りっぽくなることもあります。叱る前に、まずは体のチェックをおすすめします。

「トイレを失敗する」

おしっこの量が増える病気(糖尿病・腎臓病・クッシング症候群など)や、膀胱炎・尿石症が原因のことがあります。シニアのワンちゃんでは、足腰が弱ってトイレまで間に合わない、認知機能の低下で場所がわからなくなる、ということもあります。

ネコちゃんはトイレ環境にとても敏感です。病気がない場合は、次の点を見直してみましょう。

・トイレの数は「ネコちゃんの頭数+1個」が目安です。
・こまめに掃除して、清潔に保ちましょう。
・砂の種類やトイレの場所を急に変えていないか。
・引っ越し、新しい家族やペット、来客などのストレスがないか。

「夜中にウロウロする・夜鳴きをする」

高齢のワンちゃんでは、認知機能不全症候群(いわゆる認知症)の可能性があります。昼夜逆転、同じ場所をぐるぐる回る、狭い所に入って出られなくなる、名前を呼んでも反応が鈍いなどがみられます。完全に治すことは難しいものの、療法食やサプリメント、お薬、日中の適度な刺激や環境の工夫で、進行をゆるやかにしたり、ご家族の負担を軽くしたりすることができます。

ネコちゃんの夜鳴きは、甲状腺機能亢進症や高血圧が原因のこともあります。

「お留守番ができない(分離不安)」

飼い主様と離れることに強い不安を感じ、お留守番中だけ、吠え続ける・鳴き続ける、物や扉を壊す、トイレを失敗する、よだれが多いといった行動がみられます。出かける準備を始めると落ち着かなくなる、家の中でも後をついて回る、といった様子もよくみられます。引っ越しや家族の生活リズムの変化(在宅勤務が終わったなど)、シニア期の不安の高まりがきっかけになることもあります。

対策の基本は、次のような「ひとりでも安心して過ごせる練習」です。

・出かけるときと帰ってきたときは、大げさに声をかけず、さらっと済ませる。
・数分の短いお留守番から始め、少しずつ時間をのばす。
・お留守番の前に散歩や遊びで十分に体を動かす。
・中におやつを詰められるおもちゃなど、ひとりで楽しめるものを用意する。
・帰宅後に失敗を見つけても叱らない(不安が強くなり、逆効果になります)。

症状が強い場合は、行動の練習と合わせて、不安をやわらげるお薬を使うこともあります。お留守番中の様子を動画で撮っておくと、診断や対策を考えるうえでとても役立ちます。

 

当院での検査

「血液検査」
血糖値や肝臓・腎臓の数値、コレステロールなどを調べ、ホルモンの病気の手がかりを探します。

「ホルモン検査」
甲状腺ホルモン(T4 など)や、副腎の働きを調べる検査(ACTH刺激試験など)、血糖値の平均を反映する糖化アルブミンなどを測定します。

「超音波検査」
副腎の大きさや、お腹の臓器の状態を確認します。

「尿検査」
尿糖や尿の濃さ(尿比重)、膀胱炎の有無を調べます。

 

おうちでできること

☑ 飲水量を測る:1日分のお水の量を計って入れ、翌日残った量を引くと飲水量がわかります。1日に体重1kgあたり ワンちゃん100ml・ネコちゃん50ml を超える場合はご相談ください。
☑ 体重を記録する:月に1回は測り、増減を記録しておきましょう。
☑ 行動をメモ・動画に残す:「いつ」「どこで」「何をきっかけに」起こるかを記録しておくと、原因を探す大きな手がかりになります。夜鳴きやトイレの失敗、かみつく様子などは、動画があると診察でとても役立ちます。

 

よくあるご質問

Q. 年のせいだと思っていましたが、受診したほうがいいですか?
A. はい。シニア期の行動の変化には、治療できる病気が隠れていることがあります。「様子がいつもと違う」と感じたら、お気軽にご相談ください。

Q. インスリン注射を自分でできるか不安です。
A. 多くの飼い主様が、最初は不安を感じられます。注射の方法は、慣れるまでスタッフが一緒に練習し、丁寧にサポートいたします。

Q. 問題行動の相談だけで受診してもいいですか?
A. もちろんです。まずは体の病気がないかを確認し、そのうえで生活環境や接し方の工夫を一緒に考えていきます。ご予約の際に「行動の相談」とお伝えいただけるとスムーズです。ワンちゃんの場合は、上記の質問用紙をご記入のうえお持ちいただくと、診察がスムーズに進みます。

 

ホルモンの病気は、血液検査で早く見つけられることがあります。詳しくは健康診断のページをご覧ください。気になる症状がある場合は、ネット予約またはお電話でご予約ください。

 

※掲載中の考えられる病気とその診療についてはあくまで一例です。
ワンちゃん・ネコちゃんの状態や飼い主様のご希望・要望様等により治療が掲載中の内容と異なる場合がございます。

初めて当院を受診される方へ

ワンちゃんの場合は必ずリードをつけるかキャリーに入れ、ネコちゃんの場合はキャリーに入れるか洗濯ネットなどの袋に入れてお連れ下さい。

怖がりのワンちゃん・ネコちゃんは他の動物と一緒に過ごさないように配慮いたしますのでご来院前にご連絡ください。

待ち時間軽減のため、ネット予約を採用しています。
※詳しくはネット予約をご覧ください。

診療の流れ

1ご来院・受付

問診票をご記入いただきます。あらかじめ問診票をプリントしていただき、ご家庭で記入してお持ちいただくと受付がスムーズです。

受付スタッフや動物看護師が症状を詳しくお伺いいたします。

感染症の疑いがある場合はお車でお待ちいただくか、別室でお待ちいただきます。順番になりましたら、診察室にお呼びいたします。

問診票について

当ホームぺージにて、ワンちゃん・ネコちゃん用の問診票(pdfデータ)を配布中です。

→ 問診票ダウンロードはこちら

ご来院・受付

2診察及び検査

体重測定と検温の後、問診及び健康チェックを行います。症状により糞便検査や血液検査等の必要な検査を行います。

重篤な場合は救急処置の為、事後説明となる場合がございます。

診察及び検査

3治療・カウンセリング等

検査結果のご説明をいたします。状態や重症度に応じて日帰り治療や入院治療をご提案・ご相談いたします。

ご不明な点はお気軽にご質問ください。

治療・カウンセリング等

4薬の処方・会計

薬や療法食をご用意します。スタッフが種類や投薬方法をご説明いたします。

ペット保険対応しております。窓口清算できないタイプは診断名入りの診療明細をお出ししますので受付スタッフにお声掛けください。

療法食について

療法食とは特定の病気に対応するために、栄養バランスが特別に調整された、専門的なアドバイスや処方に従って与えるペットフードです。
当院から購入されていない療法食についてのご相談は受けかねます。
ご了承ください。

→ 療法食について

薬の処方・会計