避妊・去勢手術による予防医療
避妊・去勢手術
メスの避妊手術やオスの去勢手術は、望まない妊娠を避けたり発情期の煩わしさを取り除くだけではありません。
メスであれば子宮や卵巣の病気、乳腺腫瘍の予防になります。オス(主に犬で)は前立腺肥大や精巣腫瘍、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアの予防になります。
予防医療というとワクチンや食生活の改善などで病気を予防することが一般的に想像されますが、避妊・去勢手術で病気を防ぐことができます。避妊・去勢の手術後は太りやすくなりますので、食餌の量に注意して下さい。
狂犬病ワクチン:恐ろしい感染症からペットと大切な人を守る
狂犬病は、日本では名前は聞いたことはあっても、なじみのない病気かもしれません。しかしながら、多くの海外の国では現在でも発生が認められており、多くの人が亡くなっています。つまり現在でもほとんどの国で感染する可能性がある感染症なのです。
この恐ろしい感染症から、大切なペットと人を守るために、狂犬病について理解を深め、適切な対策を講じることが重要です。
狂犬病とは?
- 狂犬病ウイルスによる人獣共通感染症
- 感染すると治療法はなく、ほぼ100%死亡する
- 主な人への感染源は犬だが、すべての哺乳類が感染する
日本では狂犬病は発生していませんが…
- 海外では現在も多くの国で発生しており、年間約55,000人が亡くなっている
- 過去に日本でも海外で感染した人が死亡している(1970年、2006年、2020年)
- 感染した動物が日本へウイルスを持ち込む可能性がある
狂犬病の予防接種はなぜ義務なのか?
- 狂犬病予防法により、すべての犬に年に1回の予防接種が義務付けられている
- これは、日本国内の狂犬病を撲滅し、清浄国を維持するため
- 万が一、狂犬病ウイルスが持ち込まれたとしても、被害を最小限に抑えるため
狂犬病の症状(犬が感染した場合)
- 潜伏期間:2週間~2ヶ月程度(人では1~3ヶ月、まれに1年以上)
- 前駆期:性格や行動の変化、挙動不審、過敏になる、遠吠え
- 狂躁期:興奮、異嗜、音や光に対する過敏な反応、嚥下困難、筋肉の痙攣
- 麻痺期:全身に麻痺、歩行困難、嚥下困難・流涎、昏睡状態、死亡
狂犬病の感染経路
- 感染した動物に咬まれた傷口からウイルスが侵入
狂犬病の治療
- 犬は発症すると治療不可能
- 人は感染動物に咬まれた場合、暴露後ワクチンの接種
- 人も発症すると致命的
まとめ
狂犬病は、毎年の狂犬病ワクチンを義務付けないといけないほど、徹底した感染症対策を必要とするとても恐ろしい感染症であるということです。万が一狂犬病ウイルスが日本に持ち込まれた場合でも、被害が最小限に抑えられるように、ぜひワンちゃんには狂犬病の予防接種を受けさせてあげてください。
ワンちゃん・ネコちゃんの状態や飼い主様のご希望・要望様等により治療が掲載中の内容と異なる場合がございます。